寺云

峨眉山 文殊仙寺は“日本三文殊”の一つとして一三〇〇年の歴史が 今もなお受け継がれている国東半島六郷満山随一の古刹霊地である。 御本尊文殊菩薩は智恵第一の仏として今日に至ってなお広く信仰されている。 子供の智恵授け・学業成就・合格祈願は勿論、妙吉祥菩薩とよばれる由縁からも 良縁成就・安産祈願の参拝者も数多く訪れる。 また新年の春季大祭には厄除祈願(本厄・前後厄・星祭など)も あわせて採燈護摩も行われ一般参拝者も火渡りに参加できる。 秋季大祭には大護摩供を厳修し万燈会が同時に行われ境内一面を燈明の光で覆い尽くす。 また、檀信徒を問わず、広く参拝者の供養(水子供養、先祖供養)も行われている。 春の桜・新緑の夏・紅葉の秋・雪景色の冬と年間を通して楽しむこともできる。

境内は瀬戸内海国立公園内に位置し 御神木の大欅(ケヤキ)は特別保護樹木に指定され樹齢千年とも千五百年とも云われている。 日本最大とされる宝篋印塔(ほうきょういんとう高さ9メートル)からは瀬戸内海が一望でき、 快晴の日には四国は勿論、本州の山口県まで肉眼で見渡せ、船舶の往来まで確認できる。 本殿奥之院文殊堂は江戸期に幾度となく改修を重ね今日まで当時の姿を残す当山最古の建築物であり 時の小倉城主、細川公の寄進とされている。 また江戸期には杵築藩主松平公の特別祈願所となり寺紋に松平家の家紋(雪持ち笹)を使うことが許され 境内には二十五の堂宇が建ち並び百数十名の僧侶が生活をしていたとされることからも当時の繁栄がうかがえる。 しかし明治に入ると廃仏毀釈により衰退し田畑・山林・財産は没収され衰退するも 御本尊の御威光と御開山の冥祐により維持し十方有縁の浄財により現在に及んでいる。